・天然皮革は食肉の副産物
世界中で食肉の文化があります。僕は、焼肉や角煮、ラーメンのチャーシューが大好きでお酒のおつまみとしてよく頂きます。家畜として僕たちの生活を支えてくれた動物たちに感謝をしながら、副産物の革を生活に取り入れるのは大切なことだと思います。
日本では牛、豚、馬、羊、山羊の革が多く流通しています。世界では、ヘビ、カエル、ウサギ、トカゲ、ワニ、サメ、ダチョウの革も取り扱われています。日本では馴染みが少なくても海外で食べられていれば副産物の皮革として流通します。
ちなみに、豚革は日本からの海外への輸出量が生産量の40%と非常に多く、牛が2.8%、馬が1.5%という数字(平成30年データ)から、日本人は豚肉好きなのがよくわかりますね。鳥については、皮も食べてしまうのでわかりませんが、おそらく豚よりたくさん食べられていると思います。もちろん、鞣しをすれば鳥皮もレザーになります。
・鞣しをしないと皮はどうなる?
鞣す前の皮は、毛や不純物を取り除いた後、酸と塩の液体に漬けられて腐らないように保存されます。これって何かに似ていますね。そう、食べ物の酢漬けですね。これを、茹でると分離して溶けてしまいます。イメージとしては、鳥皮を長時間茹でたり皮つき豚バラ肉を圧力鍋で茹でると、皮はコラーゲンの塊になり、ホロホロと溶けてしまうっていう感じです。
健康食品や化粧品の動物性コラーゲンは、皮から作られている場合が多いです。ペットの健康ガムの原料にも使われています。
このように、鞣しをしないと皮はコラーゲン原料になります。命を無駄にせず、色々な姿で身近にあるんですね。
ちなみに、「皮」をなめす事によって「革」になります。
・フェイクレザーは布や不織布に加工したもの
フェイクレザー、合成皮革、人工皮革と呼ばれる素材は、布や不織布にポリウレタン樹脂(PU),塩化微ビール樹脂(PVC)を表面にコーティングして着色、エンボス加工へ経て天然皮革の見え方にしている素材です。
見え方の品質が一定なので、大量生産ができコスト面でも天然皮革より安く作れます。手入れがし易すく、軽さがあり、耐水性も良くとても優れた素材です。
レザーと名前についていますが、全く違う素材ですね。
・フェイクレザーと天然皮革、変化の違い
物は時間が経つと変化していきます。自分好みに変化していけば愛着心がより一層強くなります。
・天然皮革
非常に繊細で密な繊維構造をしていて、昔からなめす事によってファッション製品や工業製品にに利用されて来ました。工業製品は昭和時代、機械のパッキンや動力ケーブル、ブレーキパッドなどで活躍していたこともありました。
天然皮革は経年変化する事も特徴のひとつです。
風合いを楽しめる染料仕上げ(アニリン仕上げ)では、紫外線で赤味や青味などが飛んで色変化することがありますが、クリームなど手入れや補色によって違った味わいに育てることができます。
植物タンニン鞣しの革では、紫外線や酸化によって茶褐色に変化しますが、これもヌメ革の大きな特徴となっています。
摩擦が多い部分では、表面(銀面)が擦れ落ち繊維が見えて毛羽立ってくることがあります。その場合ワックス成分の入った保湿クリームでお手入れすると、毛羽立ちが抑えられて目立たなくなります。下の写真は、コロンブスのBrilloクリームでお手入れしてみました。ワックス成分が入っているので落ち着いた感じになりました。磨くと、より艶が増して深みが出ます。元通りではないですが、レザーアイテムとして遜色ないレベルにはなりました。こうして愛着が湧いてくるのですね。
・合成皮革
素材として完成されているので、経年変化=劣化となります。
時間が経つことにより樹脂中の水分が減少し硬化して割れが発生したり、樹脂が水分を必要以上に吸収し加水分解(ベタベタ減少)を起こしたりします。
・まとめ
両方の素材で、それぞれの特徴があります。それらを知ったうえで商品選びをすると、ショッピングがもっと楽しくなり満足のいくものと出会えると思います。
・天然皮革とフェイクレザーは、ネーミングに「レザー」が付くけど全くの別物。
・天然皮革は、生き物なので個体差がある。
・天然皮革は商品を購入した日がスタートで、愛着の入れ方次第で風合いが増す。
・フェイクレザーはコスパに優れ、取り扱いが容易。
・商品の風合いや色が安定していて、水や汚れに強い。
・フェイクレザーは購入した日が最高の状態なので、そこから劣化していく。
以上が僕、個人が思ったまとめです。
読んでいただきありがとうございました。
By silvergecko
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