羊の革・ラム・シープレザーの話 ー革動物編1ー

革って良いね

・ラムレザーの魅力

羊の革は、しなやかで膨らみがあってとても手触りが良い革です。特にラムレザー(子羊の革)は癖になる手触りといっても過言ではないと思います。僕の持っているアイテムでは、ライダースジャケット、手袋、ゴルフグローブなどがあります。手袋は、スペインで育ったラムレザーを使っているので、しっとりとした風合いでとても気に入っています。

繊維が繊細なので、スエードとして使われたりもするようです。

裁断前の革を見る機会がよくあり、その時に教えていただいたラム革の話をします。

・羊革の輸入元は?

羊の革を染める工場は日本にありますが、皮は羊肉を多く食べる国から輸入しています。原皮(未加工の皮)のままではなくて、鞣しという腐らないように加工した状態のもの(クラスト)として輸入しているのです。
羊の革を輸入する国々は、インドネシア、インド、スペイン、イタリア、フランス、ニュージーランド、エチオピア、トルコ、中国、などが挙げられます。伝統的に羊肉を食べていたという理由もありますが、大きな要因は「信仰している宗教による」という事です。牛が神様である「ヒンドゥー教」、豚を絶対に食べない「イスラム教」のように宗教によって食肉の文化が異なっているという事が大きいのです。

追記:牛肉を食さないと思っていたインドから、牛革が輸入されているという事を知りました。調べてみると、以前にも書いた通り、インドの人々の中でも宗教がいくつかあり、イスラム教の人々はハラール認証(イスラム教の教えに則ったルールで調理されたもの)された牛肉は食べることが出来るということが解りました。革は食肉の副産物だと改めて理解を深めました。

・品種によってに違いは?

レザー業界的に、羊革は大きく分けて3つに分かれます。

1.ウールシープ

主に寒いところや、寒暖差の激しい地域で育ちモコモコとした毛で覆われています。僕たちが一番親しみのある容姿をしている種です。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどで飼育されています。革としての特徴は、とても柔らかく、膨らみ感があり大小のシボを強調したものもあります。繊維の結びつきも柔らかいので、レザージャケットやレザーバック向きな素材と言えます。

 

2.ヘアシープ

熱帯地方で市域されている羊です。毛質は直毛で山羊に似ているという特徴があります。革としては、厚さが薄く、繊維の結びつきがウールシープよりも強くしっかりしています。エチオピア、ナイジェリア、インド等で飼育されています。

 

表面がしっかりしていて緻密です。目が細かくアニリン仕上げ(染料仕上げ)をすると透明感が出ています。

少しもんでみると!

ハリ感が抜けて柔らかくなりました。使っていくうちに馴染んでくるタイプの革ですね。

3.エントレフィーノ/entrefino

ウールシープとヘアシープの良いところを兼ね備なえた種でスペインで飼育されています。柔らかく繊細で、風格が漂います。育ちの良さは革質に現れます。

指に吸い付く感じがとても好印象です。これで作られた製品は、手にするたびに満足感が得られるのは間違いありません。それ程、上質だと思います。

見た目がそっくりな動物で、山羊があります。見た目は似ていますが、革としてみると大きく異なります。その話は、また、後日!

本日もご覧いただきありがとうございました。

By silvergecko

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