革のカットサンプルで防水力を試してみます。
・防水レザーと撥水レザーの違い
そもそも、防水と撥水のちがいは、どうなんでしょう?調べてみると、水に関する試験項目が沢山ありました。
1.水が水滴となって弾く性能を見るのが「撥水試験」
2.一定の水圧を与えて、水滴が革を通過する圧力を測定するのが「耐水圧試験」
3.一定の時間水に浸して、給水された水の体積を計るのが「吸水試験」
その他、動的耐水、静的耐水などいろいろありましたが、1だけの成績を謳ったものが撥水レザー、1の成績に加えて2または3の成績を達成したものが防水レザーだと認識しています。
弾く性能と、浸透を防ぐ性能両を兼ね備えて防水レザーと呼べるのではないでしょうか。
・防水レザーと撥水レザー 作り方の違い
撥水レザーは、革の表面に撥水コーティングを施し水を弾きます。水玉になって流れ落ちるやつですね。革表面は一定期間、水を吸い込みにくくなります。
メリット:加工時間が短く、コスとがコストが安い。後加工ができる。
デッメリット:表面にしか撥水が効かない。効果が時間が経つにつれて薄れる。
防水レザーは、革を染色するときに、革の繊維を撥水コーティングするので革の表面、裏面、切り口全てが撥水加工され、水を浸透しにくくさせています。
メリット:全面に効果が発揮される。効果時間が長い。
デメリット:加工時間がかかる。後加工できない。コストが高い。
というお話でした。では、試してみましょう!!
拭き取れば、浸みていない。
裏面の水弾きも完璧です。
水に浸けても弾いているのがわかります。
流水でも流れ落ちます。
試験結果を見せてもらいました。
同じ工場のレザーで、左は通常のシュリンクレザー、右は防水シュリンクです。
はっすい度:4級 両方ともこの成績です。水弾き度を見るものですが、5段階中4級という成績はかなり水を弾くという成績です。
吸水度ですが一定時間水に浸して、どのくらい吸水したかという試験です。通常のものは、113%と膨らんで水を元の倍以上の体積を吸水してしまったということです。防水シュリンクは、11%と未加工のものの10分の1しか吸水していないということです。
この結果は、傘並みの防水力だそうです。
・まとめ
防水レザーを使った製品は、僕が考えていたよりも水に強く、革は水に弱いという概念を払拭するものでした。まだ、持ってはいませんがこれから梅雨入りに向けて検討したいと思っています。
革のカットをいろいろいただいたので、それを使ってこれからもいろいろ実験したいと思います。
By silvergecko
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