シュリンクレザーの話ー革の種類ー

革って良いね

・今回は色々な革製品に使われているシュリンクレザーの話です。

シュリンクレザーってご存じですか?誰でも目にしたことのある革の仕上げ方法の一つです。

これです!どうです?見たことあると思います。

革の表面に丸みを帯びたシボが全体を覆っている表情のレザーです。このレザーは、染めて色を付けた後、ドラム(洗濯ドラムのおおきいやつをイメージしてください)で48時間回転させながらもみほぐして作ます。革の繊維がほぐれ全体が縮んでいき、肌面の凹凸が出てきます。触った感じは、表面に膨らみと柔らかさを感じ、しっとりとした良い手触りです。上写真のレザーは、イタリアで植物の渋を使って鞣されたもので「アリゾナ」という名前のレザーです。鞣す話は、後日お話しします。

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こちらはより柔らかく仕上げたシュリンクレザーです。シボ(凹凸のこと)部位によって、大きさ、深さ手触りが異なります。肩、背中、お腹、お尻によって線維の長さや密度が異なるからです。人間もそうですよね。私のお腹の繊維は伸びきってしまっています(笑)。製品を買う場合は、同じ色であっても、いくつか見せてもらって気に入った風合いのものを選ぶといいですよ。

ただ、シュリンクレザーにはシュリンクに似せたものがあります。それはシュリンクの型押しレザーです。金属板にシュリンクの凹凸を掘って熱と圧力で凹凸をつける仕上げ方法です。この方法は、部位にかかわらず、均一なシボになって生産効率が良くなります。プレスで凹凸をつけるので数十秒で仕上がります。牛が生きていた時代に負った傷や肌荒れも目立たなくなるので生産者的にはコストダウンにつながる良い素材ということになります。ただ、繊維をほぐすのではなく、圧縮して柄を作るので、レザーとしての風合いや、柔らかさ、手触りが犠牲になっています。

財布のようにハリ感やしっかり感が必要な場合は、型押しの方が型崩れしないで良いと思います。

流通しているシュリンクレザーは圧倒的に型押しが多いです。言い換えれば、型押しシュリンクの方がスタンダードになってきています。写真の財布素材は、イタリアのヴェネチア地方で作られたシュリンクレザーです。綺麗な状態が保持できるように、革表面の堅牢度を高く仕上げいています。一見、同じ様なシュリンクレザーに見えても色々なテクニックが施されているのですね。

それではまた!   By Silvergecko

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